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東京地方裁判所 昭和48年(ワ)8799号・昭46年(ワ)8810号 判決

以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。

【説明】

原告は被告から流動炭化装置(木屑から素灰を製造する工程を炉内で連続的に行なう装置)を代金三六〇〇万円で買い受けたところ、保証された製造能力がなかつたので、不完全履行を理由に売買契約を解除し、右装置の設置場所の賃料等の損害賠償を求めた。

【判旨】

(三) 別表(三)記載の債務(認定額金二二九〇万円)について

(1) 右債務は、同表1ないし5記載のとおり、南港工場の用地を賃借した賃料額に相当する債務である。

(2) ところで<証拠>によれば、訴外会社が右土地を賃借するに際して、訴外和歌山代用燃料株式会社と共同して賃借していること、現在その土地のうち本件装置の設置に関係ない部分(約四割に相当する部分)は他の目的で使用されていることが認定できる。

(3) 右認定事実に徴すれば、本件装置の設置のためには前記賃借土地の二分の一程度で事足りたものと推認することができるので、前記債務額のうち半額は原告が本件装置の設置に関連して負担した債務とはいい難く、その余の半額(金一一四五万円)のみが本件装置の設置のために要した債務というべきである。

(4) ところで、本件契約が解除されている以上、前記(一)の(1)に説示したと同様の事由により、右債務(金一一四五万円)が無益に帰し結局原告の損害となることは明らかである。

(5) しかも、原告の蒙つた右損害は、前記(一)の(3)に説示したと同様の事由により、被告の債務不履行と相当因果関係に立つものというべきである。

(6) 被告は、前記損害のうち本件契約が解除された後の賃料額に相当する損害は、被告の債務不履行と何ら因果関係がないと反論する。

(7) しかしながら、本件契約が解除されても、原告には、被告から原告の支払つた金員の返還を受けるのと引換えに、本件装置を返還すべき義務があり、かつ右返還をするまで善良なる管理者の注意義務をもつて当該装置を保管しなければならないのであるから、解除後も右のとおり本件装置を保管するためには工場用地を賃借することが不可欠なものとなるので、解除により因果関係がなくなるものと解するのは妥当でない以上、被告の右反論は採用の余地がない。

(8) 従つて、被告は原告に対し別表(三)記載の債務に関してそのうち金一一四五万円を賠償しなければならない。

(藤原康志 山崎末記 滝澤孝臣)

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